それでも暗証番号を使う管理者の倣慢。
こうした事実や仮説から言えることは、パスワードや暗証番号が使われている背景には以下のシナリオがあるということです。
認証のしくみは必要→それはいろいろある→作る側にとって都合のよいパスワード方式で作っちゃえ!→パスワード方式には欠点がたくさんあるぞ→利用者の努力でカバーしてもらおうこれは問題がありそうですよね。
利用者もセキュリティ事故のニュースなどで学んでいますし、サービス提供者もこのままずっとパスワード方式を使い続けるわけにはいかないでしょう。
しかし、今すぐにパスワード方式がなくなるとはもっと考えられないので、差し当たって利用者の側としては、パスワード方式の本質を踏まえた上で上手に付き合っていくことが求められます。
「暗証」という言葉には、仏典から来た「不立文字の意味を誤解する」「経典の研究をおろそかにする」という意味もあります。
「なんせ大企業や官庁が導入しているシステムだからな! 暗証番号さえ登録しておけば安心だ!」などと思っていると、仏典が示すように、せっかくの努力にもかかわらず財産を失ってしまった、なんてケースも出てきます。
ものの本質が見えにくい世の中ですが、自衛のために最低限の知識を身につけられるといいですね。